「湯沸かしポットに水を入れる、その瞬間。」
香りはすでに脳裏に立ち込める。
果実のような鮮やかで新鮮、
それでいてどこか厚みのある気配として。
「家族旅行の余韻が残る車内。」
みんなが寝静まる中で、
自分自身にそっとスポットライトを当ててくれているかのようだ。
主張しすぎないのに、確かにそこにいる。優しくそびえる存在感。
「会社内、誰かのデスクの上に。」
すっかり冷めきったその姿は、
先生に怒られ、拗ねたまま
教室の廊下に俯く小学生を思わせる。
「穏やかな早朝。」
言葉にしなくても、
今日も頑張ろうと、そっと包み込み、励ましてくれる。
そう。
ブラック珈琲だ。
三十路パパ

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